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編集日記 12年前

藤田俊哉とセカンドキャリアについて考える【李勇秀 編集部というお仕事】

text by 李勇秀 photo by editorial staff

僕は幸せにも長く現役生活を送れた

藤田俊哉氏
藤田俊哉氏【写真:編集部】

――それは具体的にどんな形で現れるんでしょうか。

「みんな『どうすんの』って声をかけてくれる。それだけでもありがたいんだけど、さらに『こういう仕事があるよ』とか、そういう具体的な形で提示してくれる人がいることですね」

――そういう意味で引退後の仕事というのはとても大切になってくるわけです。藤田会長時代、選手会ではそういうセカンドキャリアの支えになろうということで、Jリーグに退職金制度がない中、退団一時金を渡す制度を作られました。

「この制度というのは前からあるにはあったんですけど、ほんとに基本の基本というレベルの金額だった。それで生活ができるかと言ったらできないわけです。その中で、ある程度プロとしての実績を残した人には手厚いものがあってもいいんじゃないか、ということでみんなで考えた。各国のリーグではどうなっているのかというのも調べました。

 サッカー選手の引退後の生活については、あまり不安を感じさせないようにしなければならない。未来の子供たち、ひいてはその親たちが安心してプロを目指せるような環境がなければダメなんですよ。『プロになったけど、その後は厳しいよ』という声がすごく多くて、サッカー人として僕はすごくつらかったですから。

 サッカーをやることもいいし、その後もいいんだ。そういうサッカー界を目指さないことはありえないじゃないですか。それできちんと歩み寄っていい策が取れれば一番いい。それが、選手会、協会、そしてJリーグの話し合いにつながりました」

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