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ボランチで出場機会のない長谷部と細貝。日本代表への悪影響の可能性も

text by 植田路生 photo by Ryota Harada , Kazhito Yamada / Kaz Photography

チームでの評価は悪くなかったが移籍を選択した細貝

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細貝はヘルタへの移籍が決定した【写真:原田亮太】

 一方の細貝。レンタル移籍先のアウグスブルクからレバークーゼンへ復帰したが、今季のリーグ戦出場は17試合。左サイドバックとして重宝された時期もあったが、徐々に出場機会を減らした。

 出場した半分が途中出場。守備固めとして貢献するも、スタメン奪取には至っていない。ヨーロッパリーグではボランチで出場することもあったが、リーグ3位に入った好調のチームにあって壁を突き破ることはできなかった。

 アウグスブルク時代には香川やマリンを抑えたことで“潰し屋”として評価を高めた細貝。前述の鈴木氏は「長谷部とは逆で課題は攻撃」と語る。

「細貝はレバークーゼンでは厳しい状況にあります。ただ、事実上の監督であるヒーピアからは高く評価されています。チャンピオンズリーグに出場するチームで“頼れるバックアッパー”は悪くない選択です。

 ただ、組み立て・展開力などやはり攻撃の部分で成長しないと殻は突き破れないでしょう。再びレンタルという選択で出場企画を得るのも有効な手段です」

 取材後、細貝のヘルタ・ベルリンへの移籍が決定した。監督はアウグスブルク時代の恩師ルフカイ。「練習でもボランチでやれなかった」と本人が語っているように、自分が成長するためには、本職のポジションで起用してくれるチームが必要と判断したのだ。本人も「中盤でプレーしたかった。ヘルタ・ベルリンはそこをわかってくれた」と移籍理由を説明している。

 細貝はポジションを求めて移籍した。長谷部がこのまま残留し、来季もチーム内での序列を覆せないようなら、代表のレギュラーが交代する可能性も十分にある。来季、2人は欧州の地でどのようなパフォーマンスを見せるのか。代表の未来がそこに左右されるのは言うまでもない。

【了】

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