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ボランチで出場機会のない長谷部と細貝。日本代表への悪影響の可能性も

text by 植田路生 photo by Ryota Harada , Kazhito Yamada / Kaz Photography

守備での課題が残る長谷部

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長谷部は右サイドバックでの出場が多かった【写真:原田亮太】

 長谷部は今季リーグ戦で23試合に出場した。前半戦は不当にマガト元監督に干されていたが、監督交代以降はほとんどの試合に出ている。問題はそのポジション。右サイドハーフ、あるいは右サイドバックとサイドで起用されることが多かった。

 これにはボルフスブルクというチームの問題点も絡んでいる。マガト監督時代、ボルフスブルクは過剰なほど選手を買い漁った。一昨季にはブンデスリーガ史上最多となる36人もの選手を起用した。

 獲得もアンバランスだ。昨季始めのメンバーでセンターハーフタイプの選手は、シェーファー、ジョズエ、ポラク、トレーシュ、メドイェビッチ、クノヘ、パンネビッチ、カーレンベルク、そして長谷部と実に9人。

 複数のポジションができる選手がいるもののあまりに多い。さまざまな選手を試す中で、ポリバレント能力の高い長谷部ははじき出された格好だ。

 長谷部自身の課題はどこにあるだろう。ドイツのS級ライセンスを保持する鈴木良平氏は「守備の部分」と語る。

「パスワークや攻撃の組み立ての部分は劣っていない。ただ、今季よく出ていたシェーファーやポラクに比べると守備が弱い。一対一で相手を潰す能力がもっと高くないとドイツでボランチとして出場するのは難しいでしょう。

 しかもボルフスブルクは資金力のあるチーム。夏の補強では右サイドバックを補強すると聞いています。そうなれば出場自体も危うくなるかもしれません。本人はプレミアでプレーすることを望んでいますが、チームによっては十分に通用します。今後の代表を考えると、移籍を視野に入れてもいいかもしれません」(鈴木)

 長谷部は今のところ残留を希望していると伝えられている。だが、オファー次第では考えを改める可能性もある。本人はどのような選択をするだろうか。

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