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長友佑都 12年前

混迷のインテルに振り回された長友の一年。完全復帰も手放しで喜べないワケ

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

本人を信じるしかない膝の状態

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ストラマッチョーニ監督【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 もっともこの試合に関しては、パフォーマンス云々というよりも2試合続けて90分持ったことが大事なのだろう。本人は「膝は問題なくやれている」と言い、ストラマッチョーニ監督も「膝を壊した選手がそのままプレイできるような奇跡がサッカーの世界で起こるとは信じていない」と語る。

 ならばなおのこと、チームが一度『損傷』と公式発表を出したのはいったい何だったのかと疑問は残る。

 チームは一度帰国を許可。「我われが一番恐れているのは再発で、日本で医師に見せるということも、慎重を期すためのものだ」とストラマッチョーニ監督はミステリーを否定しているが、長友本人のコメントから本人とクラブ側との間に何らかのディスカッションがあったことは想像に難くない。

 チームからも情報が出ず、『彼がコンフェデに出たがって手術を回避している』という地元メディアの憶測も生んだが、その状態なら開示出来る情報は少なかったのも納得はいく。本人が沈黙を守ったのも、話せることがなかったからだろう。

 あとは「色んな人と相談して、そして自分しか分からない膝の状態が凄く良かったんで、手術をしなくても絶対いけるという確信が僕の中であった」という長友の判断が、間違っていなかったということを信じる他はない。

 様々なことに振り回された12-13シーズンはこれで終わった。来季は、明朗活発にプレイし実力を伸ばした今季前半戦のムードをやり通し、14年のブラジルW杯へと繋げて欲しいものである。

【了】

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