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Jリーグ 12年前

【FC東京・ビッグクラブへの指標】味スタがカンプ・ノウになる日は来るか?(後編)

text by 後藤勝 photo by Masaru Goto

権田を知らない人をどう呼びよせるか

 FC東京のホームゲーム来場者を分析、年齢分布を見ると、若者の割合が低い。都会なのに若者が来ないのは決してよいことではない。

 一般層の女性は、FC東京はもちろん日本代表の権田修一の名前すら知らない。このギャップを埋めるには、今まで着手してこなかったPRに積極的にトライしていくほかはない。

 だが、こうすれば観客が増えるという魔法のような方法論、方程式は存在しない。バルサのように百年の歴史があるわけでもなく、メッシのようなスーパースターが降って湧いてくるわけでもない。正攻法で集客をする以外に方法はないのだ。

「これが正解だという方法や、すぐに効果のでる魔法はありません。Jリーグ20年の歴史で、それがあれば誰かが実践しているでしょう。もしかしたらアルビレックス新潟の初期にはあったのかもしれませんが、しかし魔法だとしたらそれはいつかその効力を失います。一定の観客動員を維持、そして増加するには、サッカーを観るという文化を醸成しないと。今はサッカーをしている子どもたちを中心に観に来てほしいと言っていますが、サッカーをしていなくても観るだけでもこんなに楽しいよ、とメッセージを発信して“サッカーを観る”という文化を醸成していかないといけません」(大金)

 その第一歩はFC東京の試合というライヴイベントがあると知らせることだ。地上波でのJリーグ中継がほとんどなく、かと言ってCSだけで発信力が足りていない現状を鑑み、FC東京はオフィシャルサイトからの公式動画配信を企画している。

 大金常務は「素人のつくるものなので」と謙遜するが、こうした細い蜘蛛の糸を多数打ち込むことで、ビッグクラブの座を手繰り寄せる可能性がぐんと高まるのではないだろうか。

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