カバーニと監督を残してくれなければナポリは弱体化する
そして、2009年から今日に至るまでのナポリ時代。若手たちの育成に成功し、2011年にはチャンピオンズリーグにも進出を果たしたのも、ベースとなったのは緻密な連係だ。
今シーズン、ラベッシが抜けた穴も、戦術の再整備によってカバーされていたのである。ドリブルによる推進力が失われた分、パンデフをラストパサーとして機能させ、チーム全体でカウンター攻撃の質を磨いた。
攻守が切り替わった際のスペースへの飛び出し、また守備時の動きは”約束事”として全体に染み付いており、その上で選手は攻守のバランスを崩す事なく、可能な限りの個人技を発揮する。これは、レッジーナ時代から変わらないマッツァーリサッカーの特長だ。
「スクデットは獲得出来なかったが、素晴らしい目標に到達出来た」と語るマッツァーリには移籍の噂もある。レッジーナ時代には「監督のサイクルは3年だ」と語っていたこともあり、もうそろそろという気持ちがひょっとしたらあるのかもしれない。
ローマの他、ストラマッチョーニ監督の後任としてインテルに就任するなどという報道もなされているが、次は「カバーニと監督を残してくれなければナポリは弱体化する」とハムシクは懇願する。いずれにせよ、次はどんな仕事を見せてくれるのか楽しみだ。
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