マラドーナ時代の第2のスクデットを超えた
5月8日、ナポリがシーズン2位を確定させ、並びに来季のチャンピオンズリーグ出場権(予選免除で本戦から出場)を手にした。
前半戦ではミラン、後半戦ではインテルが大きく調子を崩す中、安定した成績を挙げて首位ユベントスに肉薄。冬場に若干失速し、ユーベには逃げ切られてしまうものの、後半戦は僅か1敗というペースで復調したミランの追走を振り切った。
優勝を決めたユーベの影に隠れてはいるが、彼らの成績もなかなかのものだ。第37節のシエーナ戦にも勝利し、最終節のローマ戦で勝利すれば勝ち点81に乗る。
第36節を終えた時点ですでにクラブ歴代最高の成績をマークしており、「マラドーナ時代に挙げた第2のスクデットを超えた」と賞賛されている。勝ち点2ポイント制だった1989-90シーズン、ナポリは勝ち点51を稼いで優勝したが、これを現在の3ポイント制に換算すると72、少なくとも数字上は当時を超えたという計算になるからだ。
昨年の夏にはラベッシがパリSGに移籍し、チーム力の低下が懸念されていた。にもかかわらず、総得点も現時点で72と昨シーズンの66を超えた。なぜここまでの成長を遂げる事が出来たのか。
28得点で得点ランキングトップを行くカバーニも、今季はキャプテンを任される事も多かったハムシクも、共に口を揃える。「僕たちの力の源は監督だ」。ナポリを率いて4シーズン目を迎えたワルテル・マッツァーリ監督は、若手中心で構成されたチームの力を最大限に引き出した。
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