浦和レッズが韓国に与えた衝撃
浦和レッズは07年のACLでチョンブク(全北現代モータース)、ソンナム(城南一和天馬)と対戦した。この時のアウェーゲームでのサポーターの姿が猛烈なインパクトを与えた。
9月26日、チョンブク戦後の中央日報がこんな見出しの記事を掲載した。
「熱狂的な浦和サポーターたちの応援がうらやましい」
以下、記事の主旨。
「平日の夜にもかかわらず、3000人が韓国でのアウェーゲームにやってきた。バス100台に分乗して。まるでヨーロッパのスタジアムにいるような雰囲気だった。浦和のサポーターはその熱烈な応援で、大会の強いインパクトをアウェーの地にも残していく。興行の大きなプラスになっている。Kリーグにももちろん熱狂的なサポーターはいるが、浦和ほどの迫力がない点が残念でならない」
通常、韓国のスポーツメディアで対日関係について“うらやましい”という表現を使うケースは韓国の優位性を示す目的がほとんどだ。つまり、韓国の良さについて「日本が羨ましがっている」と。日本は屈したのだと。じつにいやらしい表現だ。これを、「韓国が日本を羨ましがる」という用法で使う点にハッとさせられた。
韓国では前年の06年にチョンブクがこの大会で優勝し、ACLの重要性が浸透し始めたと言われている。ホームで行われた決勝戦第1レグではスタジアムが満員近くに膨れ上がった。
そして翌年のこの浦和の来襲が、より大会のインパクトを強めた。チョンブク、ソンナムという対戦国の枠を超えて、韓国全体に伝わった。浦和が全て変えた、とは言わない。しかし近年、KリーグクラブがACL決勝トーナメントに残った際、国内リーグをある程度諦めてでもタイトル奪取に賭ける姿勢を見るにつけ、時代の変化を感じる。
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