意外だったロナウジーニョとカカーの落選
招集に値する選手を数多く抱えるブラジルならではの宿命だろう。セレソン(ブラジル代表)の招集に関しては、リスト入りした選手よりも、しばしば招集外の大物が話題を集める事になる。
コンフェデレーションズカップの開幕を約1ヶ月後に控えた14日、ルイス・フェリペ・スコラーリ監督はGKから順に招集メンバーを発表した。
守護神のジュリオ・セーザルに始まり、チアゴ・シウヴァやパウリーニョ、オスカール、そしてネイマールら順当な顔ぶれが揃ったが、スコラーリ監督が23人の名を読み切った瞬間、記者会見場にどよめきが起こったのだ。「当確」と見られていたロナウジーニョの落選が決まった瞬間だった。
今年3月に33歳を迎えたかつての世界最優秀選手は、母国のアトレチコ・ミネイロの大黒柱として昨年はブラジル全国選手権で準優勝。バルセロナ時代の爆発的な突破力は失っているものの、昨年はブラジルサッカー連盟が選出するベストイレブンにも選出されるなど、かつての輝きを取り戻している。
「招集するときには単にクラブのパフォーマンスだけを見ているわけではない。主にセレソンでのプレーを判断して招集している」。スコラーリ監督が語ったように、所属クラブでは充実したプレーを見せるロナウジーニョは、スコラーリ監督からキャプテンマークと背番号10を託されてきたが、期待に応えたのは4対0で快勝したボリビア戦のみ。
ブラジルメディアの報道では4月24日のチリ戦に向けたチーム合流の時間に遅れたことが、メンバー外の理由とされているが、いずれにせよ今回のコンフェデレーションズカップにはロナウジーニョもカカーも必要とされなかった。
スコラーリ監督が選んだ23人から透けて見えるのは、ブラジル風に言えば「豪華な実験室」というところだ。