サポーターという言葉の意味
植田 受験生が「試合観に来ます」って言ってきたら「来るなよ。お前と10年先も20年先も仲良くしたいから、勉強の方が大事だろ」って言うし。それが普通だよ。「土曜、仕事休んで試合に来い」とか言う奴いそうじゃん、よそのチームには。
――五十嵐さん、サポーターという言葉についてはどうですか?
五十嵐 最近は、ファンという括りわけみたいなのをしないですね。好きならいいじゃんって思う。好きなら同じ場所にいて応援しようって。あとクラブもいろいろと気にしすぎですよね。誰(選手)を切るとか。切ったらサポーターに何か言われるからサポーターと相談するとか。
豊川 サッカー選手の寿命って短いじゃないですか。その中でチャレンジしようとしているのに、その選手のことを思っていっているのか? と思うことはたまにあります。
植田 みんな流されるからね。セルジオ越後化していて、否定できるファンの方が詳しいと思っているんだよ。書かれた論調を見て「この人サッカー知っているな」と思うときは、その人自身の意見を言っているときだよね。
――ジャーナリストとして「サポーター」という言葉については?
木崎 僕もサポーターという言葉を無自覚に使っていました。自己犠牲を強いる意味がもしかしたら含まれていたかもしれない。でもJリーグが20年以上経って、そういう言葉もいらなくなるくらい浸透しているでしょうから。僕もサポーターという言葉を使うのを止めようかなと思いました。
植田 ほんとにそうでしょ? 野球ファンの方がもっと軽いよね。
木崎 「スタジアムに行かなきゃ、サポーターと言っちゃいけない」という雰囲気があるかもしれない。
植田 オレはそんなこと思っていないのに、そういうことを言っている人の代表格だと思われている。正反対じゃん、性格的には。
【了】