サポーターってやらせてもらうもの?
植田 お前ら何か名前あるの?
豊川 以前はグループ名を付けてやっていたんですが、今は特にグループ名を謳って活動はしていないです。
五十嵐 ウチは、グループ名はあります。あるんですが、みんなつながっているんであまりグループは意識しない。
植田 東京はグループも何もないのよ。グループじゃなくて“いつもいる奴ら”。94年から応援しているんだけど、東京はリーダーとかないよなって。ウルトラスだって、誰がウルトラスかなんてわからない。オレの隣で応援しているからウルトラスかって言われたら、違うけどそうかもしれません。そんな感じ。
豊川 答えづらいとこですね。それが魅力的なんですよ。
植田 ほんとにそう! なのに「責任逃れでグループ作らない」とか言われると「はぁ!?」って思うよな。それから、オレはサポーターという言葉の意味を変えたい。サポーターという言葉を作ったのがオレ、みたいなイメージになってて嫌。例えば巨人ファンの八百屋のおっさん。そいつは年間一試合も見に行ってなくても胸を張って、自他共に認める巨人ファンですよ。だけどサッカーファンって「サポーターではないんですけど」って言うじゃん。
豊川 僕はわかりやすく説明するのにはサポーターという言葉は便利だとは思う。そこでも敷居の高さは出ちゃいますけども。
植田 東京はファンという言葉しか使ってない。年間1試合も見に行かなくても、グラスゴーの奴はセルティックかレンジャースファンでしょ? ドイツだってそうじゃないですか。「スタジアムに行っている奴こそサポーター」と言われる空気が、オレは(マーケットを)小さくしていると思う。
中島 そうそう。それと、原稿を書く時にファンて書くか、サポーターって書くか迷うんですよね。
植田 他のチームの奴らが「どこどこのサポーターをやらしていただいています」って言うけど、それって何? やらしてもらうものなの、サポーターって。
五十嵐 良い意味でもっと緩く考えていいと思う。