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Jリーグ 12年前

激論!! 20年目のサポーター論 ~サッカーにとってサポーターとはどんな存在なのか?~(後編)

サポーターとは何であろうか。どういう人々なのか、クラブによって違いはあるのか、そもそもサポーターという言葉の意味は? Jリーグ発足から20年が経過し、独自の発展を遂げた“サポーター”について、コールリーダー、海外サポーターに詳しいジャーナリスト、海外で選手歴のある指導者を招き、討論する。

text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka , editorial staff

【前編はこちらから】 | 【サッカー批評issue61】掲載

日本にまだないファイナルを楽しむ感覚

植田 日本代表の試合って普通に考えて、日本人全員が応援してるでしょ? なんで「応援する人はゴール裏」という発想になるのかな。オレらの中では『スタジアム街論』というのがある。東京では山の手で遊ぶ奴も、銀座で遊ぶ奴も、新宿で遊ぶ奴もいろいろいる。自分に合った場所で遊んでいるだけで、たまたまオレたちの遊び場がゴール裏というだけ。その中には、入っちゃいけない路地裏があったりする。

 なのに「応援する人はゴール裏」「応援しない人はメイン・バックで」になるの? 全員応援すればいいと思わない? 97年頃ってチケット争奪戦もすごくて、みんな代表をW杯に行かせたいという思いが強かった。ニッポン・コールでスタジアムが盛り上がっていた。すげえ鳥肌ものだったよ。

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豊川亮太氏【写真:編集部】

豊川 僕が97年の予選を体験したのがちょうど中学校2年生の時で、五十嵐さんとか朝日さんがいらっしゃる現場で一緒にやらせてもらいました。あの空気は衝撃でしたね。

植田 オレ、失明しそうだったもん。紙吹雪が3分くらい舞っていて、照明が反射してキラキラ光って、目が見えないくらい。韓国戦かウズベキスタン戦のときかな、隣でやっていた大学野球か何か、紙吹雪がいっぱい入って中断したのよ。高速にも紙吹雪が行って。すごい量だったから通行止めになった。で、オレは警察から呼び出しを受けて始末書を書かされた。サッカー協会に行けって言われて。

一同 (笑)。

――クラブでも鳥肌が立つような試合、例えばファイナルとかはどうしていますか?

植田 東京はファイナル行ったら、それこそイングランドみたいに、負けてもいいからお祭りにしようという意識がある。ナビスコカップ決勝とか天皇杯決勝とか、お祭りだよね。「国立で凧あげようぜ、正月だから」って言ったり。だけど日本人ってギラギラして、ファイナルで負けたら地獄のような顔しているでしょ。エンジョイできない。楽しくねえなこいつら、と思う。

木崎 僕もそれは疑問に思うところがあった。勝ちさえすればいいと思って日常の中で情報が入ってこない、消極的な情報遮断を許容してしまうファン心理、サポーター心理、日本のサッカーファン心理がある。クラブも情報をあえて消極的に、目立たないように出さない。エンタテインメントとして、その姿勢はないなと思う。フロンターレだったら練習試合のメンバーアップ禁止とか、練習場でのツイート禁止とか。

植田 それはサポーターのレベルだと思う。自分の好きなチームにはそんなことやらせないし。だってそんなのは違うと思う。

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