パウリーニョの起用でレアンドロが躍動
持ち味でもある反面、やや強引なミドルが玉に瑕だが、「シューターが増えることで、レアンドロへのマークが軽減される狙いもあった」と長谷川監督が言うように、立ち上がりからレアンドロが躍動する。開始30秒足らずで倉田のパスに抜け出した決定機をつかむと、39分、44分と連続ゴールで福岡の出鼻をくじく。
「チームを固定するつもりはない。チーム状態や相手のスタイルによっても選手を見極める」というのが長谷川流の選手起用だ。
先発メンバーはもちろんのこと、サブメンバーもその時の調子やサテライトの練習試合の結果、更には対戦相手を見た上で、流動的に選出している。
「狙った形で点を奪えた」とシンプルな縦への動きで3得点を重ねたことに満足感を見せるのは倉田である。
もちろん、岐阜のように5バック気味で最終ラインを埋め、自陣に引きこもるチームにはこの日の前線は機能しないだろうが、「最初のプレスをいなせば、敵陣にかなりスペースがある」(遠藤保仁)が見通していた対福岡を考えれば、縦への推進力を持つ両ブラジル人FWと倉田、そして彼らにパスを繰り出す二川孝広の組み合わせは最適解だった。
一方で、3点のリードからあわや同点劇という福岡の反撃を招いたのも確かな課題だが、「苦しい時間帯に前の選手がキープして時間を作れるかどうか」と指揮官は間延びして防戦一方となった終盤の戦いぶりを反省する。
レアンドロを最大限に生かしうる佐藤晃大の戦列復帰が見込まれる6月までは、レアンドロを軸に現有戦力でのやり繰りが続く事になる。
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