双方にとって良かった梶山の移籍
選手が「少しでも高いレベルに身を置いて成長したい」と思うなら、私たち代理人はそれが実現するように、全力でサポートしたい。
今年の1月には、FC東京の梶山陽平をパナシナイコスに期限付き移籍しました。梶山は以前からずっと海外でのプレーを希望していたけれど、なかなか実現できなかった。それはもう、私たちの力不足なんだけど、クラブは本人の意向をずっと理解してくれていたんです。
それで今年になって、ようやく実現したんだけど、FC東京も準備をしていたから、梶山を送り出すと同時に、大宮アルディージャから東慶悟を獲得しています。
梶山としては長年の希望が叶い、FC東京としても世代交代を促せたわけで、双方にとって良い移籍だったんじゃないかと思います。もちろん、梶山にとっては、戻ってきても居場所がないかもしれないけど、本人もそれを承知でチャレンジしている。
FC東京のサポーターも成熟しているから、クラブのアカデミー出身者で背番号10の選手が出て行くことに、理解を示してくれたように感じます。
このように、選手が海外移籍を希望している場合は、早い段階でクラブに伝えるべきだと思っています。2001年に稲本潤一(現・川崎フロンターレ)がガンバ大阪からアーセナルに移籍したときも、私たちは事前に伝えていました。だから、ガンバ大阪は遠藤保仁を獲得できたんです。
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