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古豪ソシエダ10年振りのCL出場もあるか? 復活のカギはクラブの命運を懸けた“原点回帰”

text by 山本美智子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

選手たちにチームに残りたいと思わせるスタイルとは?

 現在では、実に16人も選手がユースからトップチームに引き上げられてプレーしている。それも、前述のイマノルを始め、半数が2部にいた当時に1部に昇格させたメンバーとあって、チームの結束は固い。

 これだけの質の高い選手が揃うのだから、当然、移籍の声も外部からかかるわけだが、これらの選手を流出させないように説得に成功しているクラブ側の対応もうまい。その一方で、それはソシエダが行っているプレー内容とも無関係ではない。

 モンタニエル監督は、「魅せるサッカー」を目指している。「フランスもスペインも、守備的なサッカーには拍手を送ることがない」と言い切るモンタニエル監督のサッカーは、攻撃的だ。

 ゴール、シュート数の統計を見ても、首位のバルセロナ、2位のレアル・マドリーに次いで、ソシエダは3位を占めている。アーセナルからレンタル移籍で来ていたカルロス・ベラは、「アーセナルに戻さないで欲しい。僕はソシエダとスペインでやる攻撃的サッカーが好きなんだ」と懇願し、昨年からソシエダに正式移籍を果たした。

 名のあるビッグクラブを前にサッカーの内容で選手を惹きつけるクラブ。それが現在のソシエダだ。攻撃的ながら、守備もおろそかにせず、失点数はバルサ、レアルとわずか6点差。ホームでは16節連続無敗記録も達成している。

 来季も大きく顔ぶれを変える予定のないソシエダが、どこまでこのスタイルを貫けるのか。ここから更に注目だ。

【了】

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