レアルの内戦はモウリーニョの自滅で幕切れか
一連の発言に業を煮やしたファンの一部がバルデベバス練習場の入場ゲートでモウリーニョを待ち伏せし、ブーイングや「帰れ」コールを浴びせるような過激な行動を取っているが、最終的な被害者はレアル・マドリードというクラブであり、クラブのイメージは悪化の一途をたどる。
日本でも“スペシャル・ワン”としてモウリーニョは半ば神格化され、過去の不可解な行動も美化される傾向にあるが、少なくともレアル・マドリードで今季終盤に見せた一連の言動を冷静に振り返ると、モウリーニョにも監督、人間としての弱点はある。
レアル・マドリードの選手、監督が公の場で舌戦を繰り広げる光景は日本サッカー界が見習うべきではない。一連の内戦、騒動の中で見習うべきは、最も不遇をかこつカシージャスの姿勢だ。この期間、監督や自身の処遇については一切ノーコメントを貫き、我慢を続けている。
その姿勢には称賛と更なるリスペクトが集まっており、ペペやイニエスタのように擁護する選手はあっても、カシージャス自身が公の場でモウリーニョに対して反論することは今後もないだろう。
モウリーニョから突然名指しされたスペイン代表のデル・ボスケ監督が「本当のマドリディスタであればカシージャスを愛さなければいけない」と語るように、『モウリーニョvs.カシージャス』の構図となったレアル・マドリードの内戦はモウリーニョの自滅という形で幕切れとなりそうだ。
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原稿提供:サッカーを読む! Jマガ