突然だった退任の発表
一つの時代の終わりは突然訪れた。
マンチェスター・ユナイテッドは8日、ファーガソン監督の今季限りでの退任と、クラブの大使と幹部の就任を発表した。
全くの予想外の動きだった。ファーガソン監督は5日のチェルシー戦前も「現時点では退任する予定はない」と語っていた。だが、退任理由に関しては、「熟考の末、退任する決断に達した。決して簡単なものではなかったが、今が最適の時だ」と説明している。
これまでもコメントを額面通り受け取ることは必ずしもできなかったベテラン指揮官の去り方はある意味では「ファーガソン監督らしい」と言えるのではないか。
「ファーガソン監督が退任か」という噂が一気に流れたのは7日の夕方以降のことだった。当日、ユナイテッドの選手はファーガソン監督らとゴルフに出かけたが、その時に71歳が今季限りの退任を伝えたと報道された。
しかし、退任の噂は前日に始まっていた。火をつけたのはユナイテッドの次期監督などを賭けの対象にするブックメーカー(賭け屋)。6日午前、一部のブックメーカーはエバートンのモイズ監督が次期監督に就任するというオッズを一気に下げた。そして、7日夜には退任の報道が一気に噴出することになった。
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