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Jリーグ 12年前

J2初黒星で見えた課題 ガンバ の攻撃のカギを握る家長昭博に必要な“自覚”

text by 下薗昌記 photo by Kenzaburo Matsuoka

“天才”と言われ続けた家長に問われる真価

 家長のイージーなパスミスからカウンターを受けて、G大阪が後半4分に出鼻をくじかれる。自らのロストにも関わらずスローなジョグで自陣に戻る家長を尻目に、むしろ遠距離にいたはずの阿部浩之が、死に物狂いのランでゴール前に帰陣したのが印象的だった。

「怖さのある攻撃はされていなかったけど先制されてからは僕らも焦るし、相手はもっと固くなる。あの1点が入って形勢が逆転してしまった」

 こう今野が悔やんだように、カウンターを持ち味とする神戸の術中にみすみすはまったG大阪だが、ミスはサッカーにつきもの。家長個人を責めるつもりは毛頭ないが、このところやや背番号41がムラっけや淡白さといったかつての悪癖を露呈し始めているのが気にかかる。

「僕が厳しいところでボールを受けないといけない」「試合を決められるようにならないと中途半端な選手で終わってしまう」。当面のレンタル期間延長は6月末までだが、開幕前は並々ならぬ意欲をみせていたはずの背番号41。

 相手の守備組織を破壊し尽くす個のポテンシャルを有するレフティーだが、同時に自チームのリズムを崩しかねないのが兼ねてからの欠点でもある。天才と呼ばれ続けた男も、来月でいよいよ27歳――。丁か半かのサイコロよろしく、転がしてみないと分からないというようなプレースタイルが許される年齢とポテンシャルではないはずだ。

【了】

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