ポゼッション率と勝敗の関係
――ボールを回し続けても勝てないというのは、昨シーズンJ2に降格したガンバ大阪にも通じるものがあるというか。ボールを回しても勝てない要因はどこにあるのでしょうか。
西部 川崎のボール保持率は60%よりも、ちょっと低いぐらいなんです。それぐらいだと、勝率にはあまり影響してこないんです。バルセロナみたいに70%ぐらいのポゼッション率があると勝てる。
その差が何かと言うと、相手のカウンターアタックをどれぐらい防げているか。相手にボールを奪われたときに、すぐに奪い返しているから70%ぐらいになる。どんなに技術があってパスを回しても70%にはなかなかなりません。
清水 バルセロナとパリ・サンジェルマンの試合でも、バルセロナのポゼッション率は62%でしたよね。PSGの場合はイブラヒモビッチがいるので、ロングボールを収められてボールを持たれる時間が長くなる。それによってポゼッション率が下がってしまった。
――川崎の場合は先制される試合が多かったので、後半に引いた相手に対して長い時間攻めなければいけなかったのも、ポゼッション率を上げた要因になっています。つまり、ポゼッション率と勝敗はまた別の話なんですよね。
座談会の後、川崎フロンターレは4月20日の仙台戦を皮切りに3勝1敗(ナビスコカップ含む)。序盤戦のつまずきを取り戻している。だが、ポゼッションが70%を超えた試合はない。
やはりポゼッション率と勝敗は無関係ということなのだろうか。それとも、フロンターレは戦い方を変えたのか。ここで話題にのぼった「カウンターアタックをどれぐらい防げているか」というのは川崎の試合をさらに楽しく見るための1つのヒントになるだろう。
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