研究され順位を落としたポゴン
――赤星さんも狙われたんですよね?
「マークも激しくなりました。試合中に名指しで僕の名前で呼ぶようになったのは全く違うし。最初の頃は相手も僕の名前を呼ばなかった。今だったら試合中に周りの選手が指示を出す時に『アカにマークつけ!』ってポーランド語で言っているんですよ。
それがはっきり分かるようになりました。あと、ボールを持っていない時の警戒心もそう。たまにフラフラと上がるマーカーもいるじゃないですか。そういうのが一切許されなくなった。
『おい、上がるな。見ておけ』と周りが注意するようになったんですよ。フリーにさせたらチャンスを作られちゃうから、というのを何となく周りも気づいていて。研究しているんですよね」
――シーズン後半に順位が落ちたのは相手の研究があったということですね。
「それも確実にあると思いますね。ポイントを抑えられてしまった現実は多分にあると思います。ただ、僕だけではなく、他の選手も含めた数人の中心選手達がパフォーマンスを出し切れてないというのもちょっとあったのかな、と思います」
――ウィンターブレイク中のキャンプでコンディションを作れなかったのですか?
「そういうわけじゃないですね。コンディションを作れなかったわけじゃなくて…。シーズン再開前のチームはそう悪くはなかったんですよ。一番良くなかったのは、僕らのコンディションがなかなか上がらなかったのもあるでしょうが、それよりチームとしての方向性が決まらなくなっちゃったことなんですよね。
勝てなくなったんです。メンバーも変わるじゃないですか。メンバーによって選手の特徴も違う。そうすると、やるサッカーの内容が変わってきちゃってて…」
――それはシーズン後半に負けが続いてからですか?
「こっちの人たちの特徴だと思うんですけど、監督も直ぐに替わるんですよ。監督自体の考え方も、結果がダメだと選手を替える。だから、チームとして同じメンバーでやることはほぼないですよね。
選手の特徴に合わせてプレーも変えるわけじゃないですか。こいつは脚が速いとか、こいつはそういうタイプじゃないとか。でも僕らは元々強いチームじゃないので。最初に負けた時点でちょっとフラフラし始めたんですよね。正直それが良くなかったと思います。一つの理念を持てないんですよ、こっちの人は。一個ダメなら直ぐ変えちゃうから」
残留に向けての戦い
――これはどの監督だろうと一緒?
「基本的には変わらない。基本的にやることはみんな」
――ブログであまり書けないとしている葛藤はその辺りですか?
「まあ、そういうのはありましたけどね。僕のストレスを周りの人に言う意味もないし、言う行為もあんまり好きじゃないんで言わないですけど、こういうのは上手くいかないですよ。でも、上手くいかないことを変えようとしすぎたら、更に負の連鎖が起こるんですよね」
――監督も替わり、残り試合はあと6節。現在は残留ラインの14位で、今は15位のポドベスキジェが急に追い上げていますね。
「そうなんですよね。ちょっとヤバいなとは言われます」
――今はお尻に火がついた感じですか?
「それは感じています。でも直接対決が凄く重要になるかな、と」
――最終節の一つ手前ですよね。第29節。
「僕もそこに焦点を合わせていますけどね。今のチームがなかなか勝てない状況になる、必ず厳しくなるってことはシーズン前から僕は気づいていたし、ブログにも書いていますよ。
普通に考えて、二部から上がったチームが一年目でそんな簡単に勝てるほどリーグのレベルは甘くないと感じましたし、試合を通して自分は気づいていたんですよ。これはきっと厳しくなると。だから、大事なポイントになる試合は必ず勝たねばいけないと思っていますね」
――そういう考えを持っていれば、チームの精神的支柱になれますね。
「そこが重要だと気づかないと。そんなに甘くないんで、サッカーというのは。ポイントになる試合で勝てれば、順位も直ぐに上がるし。もちろん毎試合にモチベーションはありますけど、ポイントにおけるこだわりみたいなのは、やっぱり感じているかな」
――もちろん残留に対する自信やヤル気もありますよね?
「そうですね。下位との順位争いが大事というのは明確になっていますね」
プロフィール
赤星貴文(あかほしたかふみ)
1986年生まれ。藤枝東高校から2005年、浦和レッズへ加入。しかし、出場機会に恵まれずその後は水戸ホーリーホックやモンテディオ山形へ期限付き移籍。ツエーゲン金沢を経てラトビアのリエパーヤ・メタルルグスへ移籍。2011年よりポーランドのポゴン・シュチェチンでプレーする。ポジションはMF。
オフィシャルブログ:http://www.diamondblog.jp/takafumi_akahoshi/