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【ロングインタビュー】海を渡ったジャパニーズフットボーラー・赤星貴文「日本人として海外でプレーする意義」【第三部】

日本では浦和レッズ、水戸ホーリーホック、モンテディオ山形、ツエーゲン金沢でプレーした赤星貴文。現在はポーランド一部リーグのポゴン・シュチェチンに在籍している。彼はなぜ海を渡ったのか? そして海外でプレーする意義についてどう感じているのか? ロングインタビューを4日間にわたって掲載する(インタビュー日:4月20日、場所:ワルシャワ 全4回)。

text by 長束恭行 photo by Yasuyuki Nagatsuka

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一部に昇格。二部との違いとは何か?

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赤星貴文【写真:長束恭行】

――これから本題というべき、今季のポーランド一部リーグ「エクストラクラサ」についてお尋ねします。メディアの注目度が高く、国民の関心を集めるリーグでありますが、やってみてそれは実感していますか?

「実感していますね。一部に上がってから注目度は全然違います。ただでさえ僕は日本人ということもあって目立つんで。かなり注目はされているな、というのは自覚していますね」

――開幕前のポゴンの目標は残留だったと思いますが、赤星さん自身の目標はどうだったのですか?

「僕もチームの中で良いパフォーマンスをしなきゃいけない、ともちろん感じています。ポゴンは二部から上がったばかりなので残留を一番に考えていますけど、ここで慣れることも大事かな、と正直思っていますね。この一年間で全てに対して。例えば、各クラブの雰囲気だったり、環境だったりとか」

――やっているサッカーは一部も二部も変わらないとおっしゃっていましたが、それでも一部でちょっとした変化はありますか?

「もう少しボールを繋ぐイメージが強くなっています。やっぱりディフェンスは堅くなりますよね。簡単に崩せなくなりました」

――エクストラクラサはEUROSPORTでも放映され、欧州の広範囲で観られます。中継でも赤星さんはカメラによく抜かれていますよね。エクストラクラサTVの公式ページでも『キャプテン翼』の曲に合わせたドリブル映像が作られました(参照はこちら)。こういうのも含めてプレー的に注目されているのは感じます?

「敢えて違いを作っているわけじゃないけど、他の人ができないプレーをやることはありますね。ここではそういうプレーができる選手があんまり多くないと思うんで。注目はやっぱり感じてはいますね」

クラブ間の格差が少ないポーランドリーグ

――シーズン前半のポゴンは非常に好調で、強豪ヴィスワ・クラクフ相手に2-0に勝利し、観客動員がとりわけ多いレフ・ポズナニにアウェーで1-1と引き分けました。

「本当は今とあんまり変わらないんですけど、最初の頃はチャレンジャーという思いもあったし、ポゴンがやろうとしていたサッカーが二部よりも逆に一部のほうでやり易かったというのもありますね。

二部の時はボールを繋ごうとするとプレッシャーが結構速いんで、どうしても蹴り合いになっちゃうんですよ。でも一部になるとプレッシャーがなくなり、ボールが回せるようになった。それが良かったかもしれないですね、最初は」

――エクストラクラサの一つの特徴として、順位争いがとても激しいところですよね?

「今もそうですけど、一試合・二試合勝ったら分からない状況です。順位もどこまで上がれるか分からないという状況ですから。それだけに一試合ごとの大事さは感じます。クラブ間の実力の差はそんなにないんですよね。本当に紙一重」

――それがリーグの盛り上がりに繋がっているのでは?

「まあ、それもあるだろうし、色んな外国人選手も来るようになったんで、更に盛り上がりが増してきたんじゃないんですかね」

――シーズン前半をポゴンは16クラブ中8位で折り返すことになったのですが、その時の感想は?

「僕らとしては悪くなかったと思います。難しかったのは、段々とチームが相手にばれ始めたというか。誰が中心で、誰がどうかと研究され始めたのは現実的に感じましたね」

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