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プレミア記録を逃したマンU。アンデルソン投入に見るファーガソンの本気度

text by 斎藤史隆 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ファーガソンは本気で記録を狙っていたのか

プレミア記録を逃したマンU。バレンシア投入に見るファーガソンの本気度
【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 鍵になったのはサイドからの攻撃。バレンシア、ナニというウィンガーにボールを回し、徐々に好機をつくるようになった。とはいえ、43分の同点ゴールは極めて幸運な形で生まれた。

 アーセナルのサニャが自陣でパスミスをした上、ペナルティーエリア内でファン・ペルシーにファウルしてPKを献上。29歳は試合前、間違って8季在籍したホーム側の控え室に足を運ぶというミスを犯していたが、馴染み深いピッチの上では過ちを犯さずにシュートを決めた。

 後半に入ると、ユナイテッドが優勢に試合を進めるも、サイド攻撃からチャンスをつくろうとするが、肝心のクロスは完全に精度を欠く状態が続いた。結局、ベンチ入りしていた香川真司には出場機会は訪れず、試合は1-1で終了。

 ファーガソン監督は優勝決定後、チェルシーが2004-05シーズンに記録した勝ち点95のプレミアリーグ記録を更新することを目標に掲げたが、その可能性は消滅した。しかし、実際に指揮官がどこまで真剣だったか。

 例えば後半の選手交代。試合がこう着状態になる中、指揮官は中盤にアンデルソンを投入した。2007年に2000万ポンド(約30億円)という高額の移籍で加入しながら、全く期待に応えることができないMF。今季終了後には退団も噂されている。有終の美を飾る機会を与えたのだろうか。少なくとも必ずしも勝ちにいく交代ではなかった。

 とはいえ、優勝決定で今季の仕事は終わったユナイテッド。多くのことを期待するのは酷ということなのだろう。

【了】

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