今シーズン一番はじめの山場
だが、同じメンバーで戦っていることが強みの守備陣と逆に、攻撃陣は昨季の柱だった川又堅碁と金民均が抜けて再構築を図っている。
荒田をフォローする2シャドーは多くのパワーを守備に使うことが要求されるポジションでもあり、新加入の押谷祐樹がまだフィットできておらず、桑田慎一郎はケガがち。石原崇兆と関戸健二は守備面での貢献は目覚ましいものの、ゴール前のプレーに難を抱えている。
守備同様に攻撃も連携が欠かせないチームである岡山がアタッキングゾーンを攻略していくためには、もう少し時間が必要だろう。「きっちりと守備から入ってボールを奪えれば自分たちのペースに持っていける」と石原が見据えたように、神戸戦は守備で攻撃のリズムを作って奪ったボールを素早く荒田へ届けたいところだ。
首位の神戸に無敗で3位の岡山がチャレンジする一戦は注目を集めているが、岡山も盛り上がっている。新幹線2両を貸し切ったツアーも、4台のバスを用意したツアーも完売した。隣県の神戸にサポーターは大きな期待を持って乗り込むことだろう。
J参入5年目を迎えたクラブにとって、今節の持つ意味は非常に大きい。そして、選手たちもそのことを分かっている。「今シーズンの一番はじめの山場という試合だと思っています。サポーターにもたくさん来てもらえるみたいなので、それに応えるためにも勝ちにこだわっていきたい」と植田は話し、神戸へ向かう。
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