岡山の守備力は継続の賜物
岡山の守備力は継続の賜物だ。4年目を迎える影山体制の下でブレることなく継続を図ってきたことで、各ポジションでの役割は細部まで浸透した。バイタルエリアの消し方やサイド攻撃への対処方、カウンターに対するリスク管理など、一つひとつのディテールを確認、修正してきたことで、相手の様々な攻撃に臨機応変な対応ができるようになっている。
そして、3バックを形成する植田龍仁朗、竹田忠嗣、後藤圭太の3選手はこのチームで100試合を越える試合数をこなしてきており、ボランチの千明聖典と仙石廉も昨季から主力を担ってきた選手たち。
「一緒のメンバーでずっと戦ってきたことが強みになっている」と竹田が話すように、守備陣は声をかけ合わなくても連携できるまでに至った。1試合に必ず1本のビッグセーブでチームを救う中林洋次が最後尾に備える守備陣は、今季も試合を重ねるごとに自信を重ね、課題を話し合って修正に務め、さらに成熟度を増している。
神戸の攻撃陣は僅かなスキも見逃してくれないだろうし、1対1の対応では劣勢を強いられるだろう。「交わされてもすぐにカバーにいって、チーム全体で助け合っていきたい。それがファジアーノ」と植田が話すように、チームとして対応力で立ち向かいたいところだ。
もっとも、たとえ守備が機能しても、ゴールを奪えなければ勝利はない。第8節の千葉戦(0-0)や第9節の京都戦(1-1)は、ゴールが足りないことで勝ち点3を取り逃した試合だった。そして、攻撃はまだ発展途上である。
新加入の荒田智之がすぐにチームにフィットして力強く攻撃をけん引してくれているのは頼もしいが、荒田頼みであることは事実。全11得点の内訳は、荒田が6点。DF陣が4点。サイドプレーヤーの田中が1点となっており、得点パターンは荒田かセットプレーという現状だ。