日本屈指のプレーメーカーたちが語るバルサ論
『フットボールサミット第12回』の議題「FCバルセロナはまだ進化するか?」では、日本屈指のプレーメーカーふたりに飯尾篤史氏が話を聞いています。
遠藤選手は横浜フリューゲルス時代のカルレス・レシャック、中村選手は憧れのプレーヤーであったペップ・グアルディオラ。それぞれ異なる人物に影響を受け、バルサの哲学に興味を抱くようになっていきました。そして、いまもバルサのサッカーを観戦することで、彼らのサッカー観は刺激されています。
ただし、手放しで賞賛するだけでなく、プロサッカー選手である両者に「勝つためには?」という視点が抜け落ちることはありません。彼らは仮想バルサとの対戦をどのような視点で捉えているのか。
遠藤選手の考えはオールマンツーマンが前提の戦術。
「はい。オール・マンツーマン。で、最終ラインは極力プッシュアップする。例えば、メッシが中盤に下がろうとしますよね。そうしたらCBには必ず付いて行かせて、そのラインに合わせて、残りのDFも付いていく。そうすると、バルサのウイングはオフサイドを気にして下がらざるを得ない。その際、SBはウイングにマンマーク。もし、バルサの2列目が飛び出してきても、マンツーマンで絶対に付いていく」
そして、中村憲剛選手はボールの奪いどころをメッシ、そのためのポイントとしてブスケッツをあげています。チームにはC・ロナウドがいる前提で。
「それなら、システムは4-2-3-1で、ロナウドを左ウイングに置いて、ダニエウ・アウベスにぶつけます。で、守備が強い選手を2ボランチに置いてチャビとイニエスタをマーク。トップ下にも戦える選手を置いて、1トップとともにブスケツを挟みます。SBはウイングにしっかり付いて行く。だから、CBはメッシをしっかり見ていればいい。もうここは、CBの、アタックするか、ステイするかのセンスに懸けるしかない。中盤の選手には、回されるけど我慢して、と言って、メッシに入った瞬間を狙いたい」
彼らはどのようなアイデアを駆使して、バルサを攻略するのか。本紙では守備だけでなく、フィニッシュにいたる過程まで、彼らの頭のなかにある「対バルサ戦術」についてより詳しく話を聞いております。ぜひご一読下さい。
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