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Jリーグ 12年前

長時間移動、圧倒的なアウェイサポ……。過酷な遠征に耐えたベガルタ仙台が執念のドロー

ACLグループステージ第5戦、ベガルタ仙台はブリーラム・ユナイテッドと対戦するためアウェイのタイ・ブリーラムに乗り込んだ。日本とは大きく異なるタイの気候。昨年のACLでは同地で柏レイソルが苦杯をなめている。そして今回は、ドラマチックな展開が仙台を待ち受けていた。

text by 長沢正博 photo by Masahiro Nagasawa

バンコクからさらに400km離れたブリーラム

 ブリーラムの1点リードで迎えた後半ロスタイム。後半途中から投入された中原の劇的な同点弾が決まり、ベガルタ仙台がグループステージの戦いでは日本から最も遠く離れたタイの地で、貴重な勝ち点1を手に入れた。

 手倉森監督は試合後、「信じられないことが起きた」と興奮気味に語った。

 ブリーラムはタイの首都・バンコクから約400km離れている。イサーンと呼ばれるタイの東北地方に位置していて、一部はカンボジアの国境と接している。車や電車で移動すれば、バンコクから6時間ほどの道のりとなる。空港があり国内便の飛行機も飛んでいるが、便数は少ない。

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ブリーラムに乗り込んだベガルタ仙台【写真:長沢正博】

 仙台の選手たちは20日に行われたJリーグのアウェイでの川崎フロンターレ戦後、仙台に戻らず翌21日の午前中に成田空港からタイへ出発。午後にバンコク・スワナプーム空港に到着するとチャーター機に乗って、その日の夜はブリーラムに到着した。

 タイの暑さに慣れるため、川崎戦からの中3日という日程をフルにタイでの準備に充てた。

 試合当日、ブリーラムは昼頃からスコールに見舞われる。その後、雨の勢いは弱まったものの、断続的に試合直前まで降り続いた。もちろん、日中の気温は30度を越え、日本より暑いことに変わりはないが、雨が降ったことで空気が冷やされ、気候は一気に涼しくなった。

 手倉森監督は「我々にとってラッキーだった。これで暑いという言い訳ができなくなった」と語った。

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