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バルサは奇跡の逆転劇のために“メッシ外し”ができるか?

text by 北健一郎 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ビジャをセンターフォワードに置くことで生まれる可能性

バルサは奇跡の逆転劇のために“メッシ外し”ができるか?
ビジャの起用が可能性を生む【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 1stレグの最大の敗因がバイエルンにメッシを消されてしまったことだ。コンディションが万全とは程遠い状態ながらも強行出場したメッシだったが、全力ダッシュができず、ドリブルにも本来のキレが見られなかった。

 ビラノバ監督はメッシの1発に託したのだと思うが、守備面でほとんどチームに貢献できない選手が、90分間フル出場するのは、実質10人でプレーするようなものだ。メッシのコンディションが1週間で劇的に良くなるなら話は別だが、現状のままであればPSG戦の2ndレグのようにジョーカーとして起用したほうがバイエルンにとっては脅威になる。

 メッシをベンチに置くとすればCFに入るのはビジャもしくはセスクになるが、ミラン戦の2ndレグで証明されたように、ストライカーのビジャが高い位置にいれば、相手DFラインへのけん制という意味でも効果的。

ビジャにはゴールと共に、ボアテング、ダンテのセンターバックの背後を突く動きを繰り返し、ボランチとDFラインの間にできるスペース、バイタルエリアを空ける仕事を期待したい。

 0-4のイメージから何もかもがダメだったという印象が強いが、光明がないわけではない。その一つがイニエスタだ。チームが調子を落とす中でも、常に高レベルのパフォーマンスを見せており、バイエルン戦でもほとんどボールを奪われず、チャンスにつながるプレーを繰り出していた。イニエスタを通常よりも高い位置に押し上げ、ビジャが空けたバイタルエリアで勝負させるのが、ビジャCF起用の狙いである。

 右サイドバックのダニエウ・アウベスの活躍も、大量得点を実現するには欠かせない。1stレグでジョルディ・アルバが出場停止になったため、左サイドバックには攻撃的なタイプの選手ではなく、アビダルなど守備的な選手の起用が予想される。3人の“センターバック”でカウンターに備えておけば、アウベスは高い位置取りをとりやすい。

 アウベスが高い位置をとれば、リベリーも自動的に下がってくる。バイエルンの“左の矢”を止めながら、右サイドを起点に攻めていければ、攻守両面でメリットが大きい。アウベスはキックの精度には難があるものの、意表を突くトリッキーなクロスを蹴ることができる。

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