リーグ戦を快走できたワケとは
22日、マンチェスター・ユナイテッドがアストン・ビラを3-0で下し、2季ぶりのプレミアリーグ優勝を決めた。昨季は得失点差で宿敵マンチェスター・シティに優勝を奪われたことを考えれば、ファーガソン監督が再びイングランドの頂点に立ったことを「甘美」と描写したのも当然のことだった。
史上最多20度目のリーグ優勝はやはりファーガソン監督の力の産物だった。だが、挽回を目指す指揮官の意気込みは昨年5月に既に高まっていた。
昨季の最終戦でシティに優勝を奪われた直後、ファーガソン監督は遠征先からマンチェスターに戻るバスの中で「この経験を絶対に忘れるな」と選手に檄を飛ばした。メディアにも「我々がこのまま簡単に引き下がることはあり得ない」と宣言していたが、その言葉に偽りはなかった。
采配の妙もあった。今季の序盤に試したダイアモンド型の中盤や3トップといった布陣は必ずしも機能しなかった。それでも、例えばルーニーをボランチで起用するような意外な采配を選択しつつ、結果を残した。
確かにギグスやバレンシア、ジョーンズといった複数のポジションをこなせる選手が多く在籍するのは大きな長所であったが、そういった選手を巧みに使いこなした。それは守備陣に故障者が続出したシーズン前半、過密日程になった後半もローテーションを使いながら乗り切ったことからも明らかであった。
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