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なぜ清武は孤立するのか? ニュルンベルクの課題を徹底分析

text by 河治良幸 photo by Ryota Harada

課題はオフ・ザ・ボールの動き

 清武が高めの位置でボールを持った時に、全体が個人の仕掛けからラストパスを受ける前提のポジショニングや動きになってしまい、周囲のマークをはがすためのコンビネーションが皆無に等しいのだ。

 現在のニュルンベルクはバイエルンやドルトムント級の“格上”を除き、中盤で目まぐるしく攻守が切り替わり、縦にスペースが生じる展開でこそ、清武を起点とした縦のチャンスメークが発揮されている。要するにこれがニュルンベルクの得意パターンなのだ。

 清武が加入した当初は、そこから清武を起点に全体がスイッチを入れる意識が弱く、また彼に現在ほどボールが集まらない中で、攻撃に停滞感が出ていた。だが、シーズンの半ばからは清武を中心とした攻撃が明確になり、しばらく攻撃力の問題を大きくは感じさせなかった。

 それだけに、自陣に守備を固めながら、ボール際には厳しく来るグロイター・フュルトに対して、高い位置でボールを動かしながら崩しの起点を作る動きや、コンビネーションや周囲のサポートでボール保持者のマークをはがして行く意識の薄さを改めて浮き彫りにした。

 ここから終盤戦で何か劇的に変えることは難しく、また現在のスタイルで戦っても、おそらく残留は間違いないだろう。しかし、さらに勝ち点を積み上げ欧州カップ戦を狙っていくには、ヴィージンガー監督としても、この試合では欠場した金崎など、オフ・ザ・ボールでワイドに動きを出せる選手を状況に応じてうまく組み込み、一発頼みの攻撃にもう少し連動性は加えていくことが求められる。

【了】

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