清武は奮闘していたが…
前節はすでにリーグ優勝を決めたバイエルンに、4-0と力の差を見せ付けられたニュルンベルク。相手に主導権を握られる中で、清武も中盤でなかなか自由にボールを持つことができなかったが、今回のダービーは自陣に引きながらフィジカルな試合に持ち込む最下位の相手を崩せないという、別の形で無得点に終わってしまった。
早い時間から、ボールを持ったところで後ろから削られるなど、攻撃の中心として振る舞う清武には特に厳しい守備が襲いかかった。前に出てから後ろに動き直すといった清武らしいステップワークで、ボールを持つまでは行くのだが、そこから縦を切られ、一瞬でもプレーが遅れたところで背後や側面から挟まれ、潰されてしまう。
前半35分にはサイドチェンジを右サイドで受け、鮮やかなカットインから左足で縦パスを狙っていったが、ガイスにダイビングでクリアされ味方に通らないなど、瞬間的な技巧から味方に合わせるラストパスも通し切ることができなかった。
グロイター・フュルトとしては清武と周囲の選手を分断し、一発のパスはセットプレーの守備と同様に体を張って通さないという意識が統一されていたのだ。
そうした相手の守備に対し、清武は最後まで個人の仕掛けや味方との1プレーで決定的なゴールチャンスに結び付けられなかったが、それはボールを持った局面における味方との距離感に大きな要因がある。
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