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サッカークラブを超えた存在 ~スウェーデンの移民クラブを訪ねて~(前編)

text by 鈴木肇 photo by Hajime Suzuki / Ryota Harada

過去にはイブラヒモビッチが在籍

サッカークラブを超えた存在 ~スウェーデンの移民クラブを訪ねて~(前編)
過去にはイブラヒモビッチも在籍していた【写真:原田亮太】

 FCローセンゴードが産声を上げたのは1917年のこと。16歳から17歳の少年15人によってマルメ・ボール&スポーツ協会(MBI)として誕生した。1938年にアルスヴェンスカンの昇格プレーオフまで勝ち進んだが、惜しくも敗れた。

 2001年にトルコ系のトゥルク・アナドルFFと合併し、マルメ・アナドルFF(MABI)と改名。その後2008年にFCローセンゴードと改名され、現在に至る。

 クラブは、イブラヒモヴィッチが少年時代に所属していたことで知られており、また2000年のユーロ(欧州選手権)に出場したイクセル・オフマノフスキ(マケドニア系。現引退)、3年前のU‐21欧州選手権でプレーしたラビノット・ハルブジ(コソヴォ系。現マニサスポル/トルコ)といった選手も輩出。親善大使としてイブラヒモヴィッチ、それに元社民党党首のモーナ・サリーン氏が就任している。

 クラブには今日、約2000人の会員がおり、4部リーグに該当するディビジョン2に所属するトップチームから9歳以下の少年チーム、それに女子チームも含めて14チームで構成されている。会員の国籍は多様だ。

 クラブ訪問の際、ちょうど最年少の9歳以下チームの練習を見学させていただいたのだが、子どもたちの顔ぶれをみると中東系やアフリカ系など様々だ。指導者たちのバックグラウンドも多様で、スウェーデン、ブルガリア、レバノン、シリア、アルバニア、ボスニア・ヘルツェコビナ、ソマリア、アルジェリアといった国々出身のコーチがFCローセンゴードで指導している。

【後編に続く】

初出:サッカー批評issue55

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