移民によって運営されているクラブチーム
「代表チームは国を映す鏡」とよく言われるが、このことはスウェーデンにも当てはまる。今日のA代表選手の顔ぶれをみると、以前と比べて外国のバックグラウンドを持つ選手が増えている。スウェーデンの移民選手というとボスニア人の父とクロアチア人の母を持つズラタン・イブラヒモヴィッチが有名だが、ほかにもダニエル・マイストロヴィッチやベーラング・サファリ、エミール・バイラミといった選手も代表に定着している。
U-21代表に目を移すと、昨年11月のU-21欧州選手権予選・マルタ戦に招集されたメンバーのうち約3割が移民のルーツを持つ選手で構成されていた。チームで主将を務めているイロアン・ハマドはイラクのルーツを持つ選手だ。今後、ブローギュラー(「青と黄」という意味。スウェーデン代表の愛称)のユニフォームを身にまとう移民選手がさらに増えていく可能性が高い。
またスウェーデンにはアッシリスカFFとシリアンスカFCといった移民によって結成されたクラブチームが存在する。前者は2部リーグに該当するスーペルエッタンでプレー。後者は昨季にクラブ史上初めてトップリーグ・アルスヴェンスカンに挑戦し、見事残留を果たした。移民のクラブチームというとこの2チームがよく知られているが、今回紹介するFCローセンゴードも移民によって運営されているクラブチームだ。
ローセンゴードの場合、国内リーグで結果を残すことによってその存在を示すシリアンスカやアッシリスカと違い、サッカー以外の点で有名なクラブチームと言える。動画サイト『ユーチューブ』にはローセンゴードの紹介動画が投稿されており、タイトルは「FCローセンゴード──サッカークラブを超えた存在」。FCローセンゴードはサッカープラスアルファを持ったクラブチームだ。昨年10月中旬、現地を訪問しクラブ関係者から話をうかがった。