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解説者不在、時間・得点表示もなし!? タイでのJリーグ中継の問題点

text by 長沢正博

対戦カードと時間やJリーグのロゴの表示を

 他国リーグはどのように放送されているのか。現在、GMMスポーツではイングランドのチャンピオンシップやフランスのリーグ1、ドイツのブンデスリーガ、さらにはブラジルやアルゼンチンのサッカーも放映している。内田や清武、岡崎らの活躍がつぶさに見られるのはありがたい。こちらもタイ語の解説が付く時もあれば、映像制作元のものと思われる英語の解説がそのまま流れている時もある。

 共通しているのは、画面上部の見やすい位置に対戦カードとスコア、時間が毎試合表示されている点。リーグによっては得点者や交代選手、イエローカードをもらった選手の名前も随時映し出される。さらにリプレイ時などにリーグのロゴが一瞬、映像に差し込まれるので、どこの国のリーグか分かりやすい。

 先日、タイプレミアリーグの試合会場で、Jリーグの中継を見たことがあるか、サポーターに尋ねてみた。10人近くに声を掛けただろうか、ようやく一人見つかった。「名古屋グランパスが好きだね。タナカを応援しているよ。2010年の南アフリアW杯も見ていたよ」。

 彼の言うタナカが闘莉王のことだと理解するまで時間がかかった。ともあれ、遠い異国の地でJリーグを見てくれている人に出会えてうれしかった。彼のような人が、一人でも増えてほしい。

 東南アジアの各国においてJリーグの認知度向上や将来の放映権ビジネスまでを視野に入れているなら、プレーだけでなく映像コンテンツとして魅力あるものを視聴者に届ける必要がある。

 タイの放送局の範疇もあるだろうが、解説はともかくとして対戦カードと時間、得点、さらにJリーグのロゴは常時、画面の見やすい位置に表示できるようにならないものか。Jリーグ事務局にはぜひ、放送局と協議してもらいたい。

【了】

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