勝利が求められるダービー
次節の相手は大宮アルディージャ、さいたまダービーである。平仮名の与える文字の印象は穏やかなものであるが、浦和のサポーターは烈火のごとく燃えている。
大宮とのダービーでは相手チームに桜井、藤本といったダービーでとにかく燃える選手がいたこと、また、チームの成績や規模で浦和が上回っている状態で行われることが多かったせいか、ダービーで燃える大宮、受ける浦和という試合が多かった。
浦和の選手からも「34試合の中の1試合」「1試合1試合を戦うだけ」といったようなコメントが聞かれていたが、サポーターにとっては同族嫌悪に近い感情が渦巻くのもダービーである。
同じ市内の、お互いを高め合う好敵手という感情ではなく、とにかく相手を叩き潰すような圧勝を常に願う浦和サポーターが多いのもまた事実。
ただ負けたからということではなく、サポーターの燃える想いと選手の意識の間にあったギャップが、試合後に愛するチームへのブーイングや、バス囲み(良いことではないが)となって顕れるのである。
内容が良くても負けたらすべてが崩壊するほどの衝撃を受け、勝利することで世の中すべてが明るく見える、それがさいたまダービーである。
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