選手たちが感じる記録より大事なもの
リーグ戦第7節、大宮は18戦無敗のJ1新記録を懸けて浦和と対戦する。
“さいたまダービー”は常に異様な熱気に包まれるが、今回は新記録に加え好調なチーム同士、3位の大宮と2位の浦和の一戦とあって、いつも以上に関心が高い。大宮の不敗が始まったのが昨季、第24節のダービーからという因縁もファンの闘志をかき立てたのか、チケットは発売から1時間半で売り切れとなった。
とはいえ「言われるまで気づかなかった」(青木)、「去年と今年は別物」(下平)など、大宮の選手たちに記録に対するこだわりは感じられない。負けなければ新記録樹立などの思惑は存在せず、目指すのは目の前の勝利だけのようだ。
J1に昇格した2005年から8年連続で残留争いを繰り広げてきたチームとしての歴史も、“記録よりも大事なもの”を選手たちに感じさせているのだろう。
下位を定位置としてきた大宮の好調を支える要因のひとつとして、継続が挙げられる。不敗記録がシーズンを跨いでいることが示すように、快進撃は今季始まったものではない。サッカーそのものを語る前に、昨季13位でなんとか残留を果たしたベルデニック監督を続投したクラブの決断が、現在の躍進を生んでいると言える。
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