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Jリーグ 12年前

大分トリニータ残留への切り札・松本昌也が描く未来予想図

text by 河治良幸 photo by Kenzaburo Matsuoka / Takuya Watanabe

課題の積極性。本人はどう捉えているのか

――鹿島戦は数分の出場でしたが、どういうイメージで試合に入りましたか?

「2-2だったので、勝つことしか考えていなかった。相手のレベルが高いことは分かっていたけど、自分は体力があるので、守備の間で動いて相手を外して、ボールを受けて、ゴールに絡むというイメージで。しかし、ボールがなかなか落ち着かず、結果的に守備することが多くなってしまいました」

――大分で田坂監督が目指しているのは[3-1-4-2]というシステムで、自分たちから主導権を握るスタイルと認識しています。その中で、松本選手の特徴をどう活かして出場機会を増やし、貢献していきたいですか?

「ここまで中盤でボールが回らない試合が多い。そこでゆっくり回しながら崩せる様に、自分は間で受けて叩いて、また間でもらう動きが必要だと思います」

――松本選手はU-19アジア選手権の時、仕掛けてシュートを狙う“積極性”を課題にあげていましたよね? 田坂監督も鹿島戦のあと、“積極性”を松本選手の課題として話していました。

「はい。ゴール前でもっともっと仕掛けて、シュートのイメージを強く持って、積極的にやっていかないと。そういう選手は相手にとっても怖いし、それを出せないと、この先、この上には行けないと思うので」

――“中盤でゆっくりボールを回すこと”と“積極的に仕掛けて、ゴールを狙うこと”は一見して矛盾します。その両立をどう考えていますか?

「相手の守備をしっかり見てサッカーをすること。相手の守備がどういう特徴で、その時どんな状況にあるかを見極めることだと思います」

――松本選手は本質的に中央の選手だと評価しています。しかし、鹿島戦や今日の練習の様に、アウトサイドで出場機会を得ることも出てくる。そこでどういうプレーをしたいですか?

「自分は足が特に速いわけでも、ドリブルで縦に突破できるわけでもないけど、動きでマークを外すことはできます。サイドのポジションにこだわらず、時には中に入ってFWに当てるとか、相手の嫌なところを突いていきたい」

――松本選手は各カテゴリーの代表でも大きく期待されています。将来的にはリオ五輪、そしてA代表というステップはありますが、昨年のU-19アジア選手権での敗退を経験した中では唯一、次の大会にも出場する資格があります。代表レベルでのモチベーションは?

「あの大会は本当に悔しい思いをしましたが、自分のレベルが足りなかったと自覚しています。その悔しい思いをピッチにぶつけられる様に、プレーでも強い気持ちを持たないといけない。そうすれば自分のレベルも上がって、チームにもプラスになると思います」

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