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アジアの盟主をめぐる韓国メディアとファンの想い ~韓国で香川真司の報道が過熱する理由~

text by 金明昱 photo by Kazuhito Yamada

香川とパクへの感情

 記者の話から見えてくるのは、韓国国民のパク・チソンに対する絶対的な信頼と支持、そして香川に対する懐疑的な目。実際、マンUは韓国人から“国民球団(クラブ)”と呼ばれるほどの人気と支持を得てきた。だが、今回の一件でマンUのファンをやめる人が続出するのではないかとの声もちらほらと聞こえてくる。

 そうした動きは、香川の熱愛報道やパク・チソン移籍の記事に対するネット上の書き込みを見るとよりリアルに伝わってくる。

 ある35歳男性はこんな書き込みをしていた。

「09年にマンUがソウルW杯競技場のピッチに足を踏み入れたときのことは今でも忘れられない。その時、ファンのみんなが“Here is another old Trafford”と掛け声を送っていた。それだけパク・チソンがいるマンUに韓国人は熱狂していたのに……。完全に熱は冷めた」

 また、28歳男性は香川に対するライバル心むき出しにこう書き込んだ。

「香川は本当に実力があるのか? 結局はアジアのマーケットを拡大させたいから香川を呼んだとしか思えない。正直、実力では香川よりもパク・チソンが上。代表キャップ数やゴール数、プレミアとブンデスのレベルの違いを見てもその差は歴然だ」

 ここで挙げればきりがないほど、似た内容の書き込みがネット上にあふれている。サッカーにおいて日本と韓国は“永遠のライバル”と表現されることが多いが、何も香川とパク・チソンの二人を引き合いに対立させることもないだろうと思う人もいるに違いない。だが、これが韓国人ファンの正直な感情なのだ。

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