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Jリーグ 12年前

守備的な戦いにシフトしてトンネルを抜け出した清水。根本的な問題は解決されたのか?

昨年から公式戦12戦未勝利が続いていた清水は、第5節の鳥栖戦から守備的な戦いに大きくシフトして勝利を掴み、長いトンネルを抜けた。しかし、理想と大きくかけ離れたサッカースタイルであることも事実で、チームとしての根本的な問題解決は果たされたのか?

text by 飯竹友彦 photo by Kenzaburo Matsuoka

清水が連敗を脱出したポイント

 リーグ戦第4節の広島戦(0-4)で敗戦すると、昨年から公式戦12試合未勝利と不名誉な記録を伸ばす監督の解任を求め、約300人のサポーターが試合後にバス出入り口を封鎖した。

 だが、翌週に迎えたリーグ戦第5節の鳥栖戦で今季初勝利(1-0)を挙げると、ナビスコ杯川崎戦(0-0)の引き分けをはさみ、第6節のダービーでも村松のゴールで(1-0)磐田を下しリーグ戦2連勝を記録。順位も中位へとジャンプアップ。

 サポーターの悲痛な叫びが通じたのか、チームは見事に長いトンネルを抜けた。

 そのポイントは、第5節の鳥栖戦から採用している[4-4-1-1]システムにある。1トップにバレー、トップ下に高木俊を配し、相手ボール時にはDFラインの前で中盤の4人がフラットに並び2ラインを形成する。

 この新システムは、アフシン・ゴトビ監督が就任当初から採用してきたオランダの系譜とは反目している。しかし、現実を見据え、チーム状態を分析した結果、守備を重視した現在のシステムにたどり着いたのだろう。

 中でも守備的な意図を顕著にしているのが、中盤で起用されたイ・ミンス(第5節鳥栖戦)と、竹内(第7節磐田戦)だ。

 まず、「中盤をコンパクトにして、連動してプレスを掛けて行く」とボランチの村松が言うように、DFラインと中盤の距離を詰め、「サイドでは(見方の)SBが(相手と)1対1にならないように」(竹内)ゴール前のスペースを埋めていくことが求められていた。

 そのため、運動量があり、守備意識の高い選手をサイドハーフに配した。危険なエリアでは数的優位を保ち、相手からスペースと自由を奪いボール奪取の確率を上げる。そうした指揮官の意図を、攻撃で特徴を出す選手ではなく、守備で特徴を出せる選手を起用することで素早くチームへ反映させることに成功した。

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