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Jリーグ 12年前

低迷続く風間フロンターレ。勝利なき革命に未来はあるか?

text by いしかわ ごう photo by Kenzaburo Matsuoka

未だに統一されないチーム内の意識

 孤立気味だった中村憲剛は、そういう状況での意思統一がなかったことを問題の原因と改善策に挙げた。

「後ろからゲームを作るなら、徹底的にやるべき。中途半端にやるなら意味が無い。それだったら、裏にボールを蹴っていったほうがいい。後ろは蹴りたい、中盤はつなぎたい、というのではうまくいかない。そこはもう一回意識を統一していかないといけない」

 實藤友紀が話していたのも、ほぼ同意見だ。

「後ろからのパスが足元、足元になっているとボランチは窮屈になってしまう。ひとつ飛ばして出して、そこをカバーしていく狙いがあったが、逆にボールを失ってしまう場面も多かった。ここは出し手と受け手の関係性を高めていかないといけない」

 この試合、スタメンの顔ぶれで新加入の選手はボランチの山本真希のみで、それ以外の10人はみな昨年から風間監督の下でトレーニングを積んできた選手達である。それでもピッチ上での共通理解がうまくいかず、打開策となる変化を施せなかったのでは、もっと根本的ところから見直す必要も出て来る。対戦相手は、昨年以上に明確な「風間フロンターレ対策」を準備してきており、それを上回らなければ、今後も苦戦は免れないからだ。

 チームに明るい材料は少ない。それでも前を向いていたのが中村憲剛だった。

「これは自分たちで招いている結果。ここで下を向いても仕方が無いし、もう一度しっかりとやっていかないといけない」

 勝たなければ、何も変わらない。

【了】

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