出場が危ぶまれていたメッシがベンチ入り
チャンピオンズリーグの準々決勝2ndレグ、バルセロナとパリ・サンジェルマン。1stレグはPSGのホームで22のドロー。バルセロナはアウェイゴールによって勝利もしくは0-0、1-1の引き分けでも準決勝進出というアドバンテージを持って臨んだ。
バルセロナは1stレグで負傷し、一時は出場が絶望といわれたメッシがベンチ入り。メッシに代わってセスクが1トップに、マスチェラーノの出場停止によって誰が起用されるか注目されたCBには、本来サイドバックのアドリアーノが起用された。
1stレグでベッカムをボランチで先発させ、“ピルロ・システム”を敷いてきたアンチェロッティ監督だが、2ndレグでは中盤のプレッシャーを強めるためにチアゴ・モッタとヴェラッティでダブルボランチを組ませた。
立ち上がりからPSGが入念にバルセロナの弱点を研究していることは明らかだった。バルセロナのCBアドリアーノのところにロングボールを入れてきたのだ。アドリアーノはヘディングが強くないため、DFラインの近くにボールがこぼれる。
セカンドボールの競り合いではバルセロナよりPSGの選手のほうに分がある。イニエスタやシャビは軽量級でコンタクトプレーに強くないからだ。セカンドボールを拾ったPSGは高い位置で攻撃の起点を作ってイブラヒモビッチ、ラベッシ、ルーカスらが積極的に仕掛けていき、バルセロナのポゼッションに対応した。
守備面でもPSGの“バルサ対策”はハマっていた。バルセロナはイニエスタとメッシ(今日の試合ではセスク)がセンターバックとボランチの間でボールを受けることが攻撃のスイッチになっている。PSGはDFラインが高い位置を保つことによってボランチとの間に生まれるスペースを“圧迫”。イニエスタやセスクのプレーエリアを狭くした。
バルセロナにボールを持たれたときは、2メートル程度の距離感をとって飛び込まずに時間をかけさせる。パスを回される分にはポジションをスライドすればいいので、DFブロックのバランスは崩れづらい。
そのためDFブロックの前でボールを回す時間が長くなった。前半のバルセロナのチャンスといえるのは2分のシャビのFKと、ペドロが左サイドから崩した28分のプレーぐらいのものだった。