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Jリーグ 12年前

危機意識の足りないガンバ。J2での苦戦は必然か

text by 下薗昌記

選手から聞こえてくる、昨季と同じような言葉

 西野朗元監督時代から、個任せだった守備(当時の圧倒的な攻撃力を考えれば、理にかなっていたスタイルだ)に、確かな守備戦術を確立しつつある上に、2年目の西野貴治が独り立ちし始めるなど、長谷川色は確実に浸透しつつある。

 ただ、チームは忘れていないだろうか。屈辱のJ2降格を強いられた昨シーズン、わずか1つの勝ちに泣いたことを。猛攻を見せながら、決定力に泣いた最終節の磐田戦のことを。

「決定機はあったので、それを決めれば何の問題もない」(遠藤)。「前半点が取れなかったことが引き分けに終わった原因」(藤春廣輝)。似たような言葉は、まだ危機意識に欠けていた昨シーズンの半ばに幾度となく耳にした。

 神戸が首位を快走している上に、G大阪にはコンフェデレーションズカップの前後に遠藤と今野泰幸が離脱するという潜在的な懸案事項がつきまとう。しかも、昨季3度の途中離脱を強いられた加地亮のバックアッパーにも未だ目処がつかない有り様だ。

 昇格だけが目的ならば、目くじらを立てることはないのかも知れない。ただ、「優勝してJ1に昇格する」「ぶっちぎりで昇格したい」(長谷川監督)のならば、序盤の取りこぼしはもはや許されまい。

「一番やってはいけないゲーム。これで負けていた可能性もあったので決めるところは決めないといけない」という家長の言葉をチーム全体で反芻できるかどうか――。

 リーグ戦は、早くもその2割を終えている。

【了】

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