モウリーニョの退任は優勝のフラグ?
二つ目がモウリーニョ監督の置かれた状況だ。
モウリーニョ監督は今シーズン終了後にレアルを去ることが決定的。モウリーニョとしては「チャンピオンズリーグ優勝」を置き土産にすることで自分の価値を高めたいと考えているはずで、モチベーションは高い。
実際、これまでモウリーニョはチャンピオンズリーグで優勝(2003-2004シーズンのポルト、2009-2010シーズンにインテル)した翌シーズンは、別のチームに移っている。
モウリーニョの退任=チャンピオンズリーグの優勝フラグといってもいいかもしれない。
三つ目が戦術的な熟成度の高さだ。
モウリーニョ体制4年目のレアルは、戦術が浸透し戦い方が確立されている。立ち上がりにハイプレッシャーをかけて早い時間で先制し、相手が前掛かりになったところをカウンターで突く。
プレーの強度が1試合を通して落ちないのも特徴で、決勝トーナメント1回戦のマンチェスター・ユナイテッドの2ndレグのように、劣勢の試合をひっくり返せる勝負強さも持っている。
四つ目がチーム内の競争意識の高さだ。
当初はカシージャスの欠場中の代役とされていた控えGKのディエゴ・ロペスは、バルセロナとのクラシコでスーパーセーブを連発しモウリーニョ監督の信頼を獲得。カシージャスの復帰後も正GKとして起用されている。
さらにフランス人DFバランのパフォーマンスも見逃せない。背後のスペースをカバーするスピードは今やレアルの守備陣に欠かせないもの。経験不足を露呈する場面もあるが、このままいけば間違いなく世界屈指のDFになるだろう。
ディエゴ・ロペスとバランという2人のバックアッパーの活躍が、チーム内に健全な競争意識を生んでいる。
ベスト4の顔触れがそろっていない段階で断言するのは早計かもしれない。だが、レアルが優勝する流れに乗っているのは確かだ。
【了】