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ダービー敗戦で見えたマンUの課題。香川を生かせないオールドスタイルからの脱却は果たせるか?

text by 植田路生 photo by Kazuhito Yamada

決勝点を許したお粗末な守備

 2失点目は非常にお粗末な守備が招いたものだ。まず、守備ブロックを作るにしては中盤とディフェンスラインの間が広すぎた。これではバイタルに広大なスペースが生じてしまい、シティの攻撃陣は自由にボールを受けることができる。

 また、アグエロがウェルベック、リオ、ジョーンズの3人を振り切った形となったが、止められるタイミングはあった。問題はCBの2人だ。最初はウェルベックが後ろから追っていたが、彼が止めてはファウルになるのは確実。であればCBのどちらかが前に出て潰さなければならなかった。

 しかし、リオは一瞬前に出るもジョーンズに譲ったのか行ききらなかった。ここでの譲り合いが問題点その1。そしてジョーンズはタイミングを逸し、スピードで勝るアグエロはシュートの打ちやすい位置へドリブルを進めることが出来た。

 問題点その2はジョーンズの危険察知能力だ。リオがチェックに行く・行かないに関わらず、ゴール前の危険な位置なのだから、何がなんでもアタックに行かなければならない。リオと2人でタックルしてもいい場面だ。アグエロの個人技は見事だったが、適切な判断が下せていれば防げる失点だった。

 結局試合は、そのまま1-2で終了。ロスタイムに香川真司を投入したが、あの短い時間では何もできなくて当然。エース、ファン・ペルシーの不調も解消されず、ユナイテッドはいいところなく敗れた。

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