信頼が揺らいでいるアウェーでの戦い
②「環境や相手に対応できる勝負強さ」は11年に、カタールで開催されたアジアカップに優勝したことで当初はあまり不安視されなかったが、“絶対アウェー”と言われた3次予選の北朝鮮戦で全く日本らしさを出せずに敗れ、さらに最終予選のアウェーでことごとく苦戦を強いられたことで、環境の適応力と接戦を制する勝負強さに関しては信頼が揺らいでいる。
先のヨルダン戦は敵地の環境でも“自分たちのスタイル”でやり切ることを監督はじめ選手も語っていたが、イレギュラーバウンドの激しいピッチで正確にボールを回そうとするあまり、テンポが遅くなり、パスが出た先でヨルダンの選手が簡単にアプローチできる状況を作ってしまった。
しかも前半にいくつかチャンスはあったが決められず、セットプレーから失点。後半の2失点目もミスの連鎖から献上したものだった。
そのヨルダン戦において、本田と長友を欠いたことで戦術や技術より問題視されたのが、厳しい戦いにおける精神面だ。
メンタルというのは見えにくく、取材する側としても印象論になりがちだが、厳しい時に味方を鼓舞する、プレーで引っ張る姿勢というのは伝わってくるもの。そうした意識を個々がもっと上げること、さらに厳しい環境をチームとして経験することで、互いが助け合うチーム環境を作っていく必要がある。
③「戦術的なバリエーション」と④「選手層のアップとオプションの強化」はセットで考えることもできるが、本大会まで残る1年余りで、明確に進めていく必要がある。
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