ACLに対する選手たちの強いモチベーション
第2戦のセントラルコースト戦もしかりだ。マーキングの緩さを突いたレアンドロは、2得点1アシストという大車輪の活躍で柏の全得点に絡み、チームの勝利に大きく貢献した。アジアのチームは対戦回数もスカウティングの材料も、Jリーグ勢に比べればはるかに少ない。
昨シーズンから通じ、レアンドロはここまでACL10試合で7得点。言うなれば、J2から昇格したばかりで、今ほど徹底マークを受けておらず、無双とも言えるパフォーマンスを発揮した2011年のJ1に近い現象が、今のアジアで起こっているといったところだろうか。
もう1つ、アジアでの好調の要因として考えられるのが、多くの選手が語る「昨シーズンの経験が生きている」という点だ。そこは広島、仙台、浦和とは大きく異なる部分である。
当然、海外の対戦相手との“慣れ”もあるが、特筆すべきは昨シーズンのACLラウンド16で蔚山に敗れた時、選手たちの尋常ではない悔しがりようだ。内容では相手を上回りながら、ロングボール攻撃一辺倒の蔚山に2-3で屈し、しかもその蔚山がアジアを制したことが、より悔しさを募らせた。
選手たちはJリーグでもACLでも同等のモチベーションで挑み、どちらかにプライオリティーを置いているということはない。しかし、あの時の痛烈な屈辱が深層意識に強く刻まれ、そのリベンジを今シーズンのACLで爆発させているという見方は十分にできる。
Jリーグと並行して戦う過密日程をこなしながら、アジアでの好調を維持する柏。5年振りとなる日本勢のACL優勝の期待がかかる。
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