優勝を阻止すべく奮闘したフランクフルトだったが…
バイエルンの見事な優勝だった。昇格組ながらここまで来季のチャンピオンズリーグ争いに加わっているフランクフルトは、目の前で優勝を決められたくないこともあり、普段のポゼッション・スタイルを半ば捨て、乾やアイクナーを起点とした鋭いカウンターに活路を見出そうとした。
しかし、やはりチャンスで上回ったのはバイエルン。堅実なつなぎからロッベンやシャキリがドリブルを仕掛け、危険なフィニッシュにつなげる。シャキリのミドルシュートがポストに当たり、ミュラーが倒されて得たPKをアラバが外すなど、あと一歩のところで得点を逃していたバイエルンだが、52分に待望の先制点を奪った。
右サイドでドリブルを仕掛けたロッベンの外をラームが追い越し、マイナス気味のクロスにシュバインシュタイガーがヒールで合わせ、見事にゴールネットを揺らした。その後も中盤の主導権を握りながら、フランクフルトの速攻を組織的な守備で防ぐ。
対するフランクフルトは終盤にステンデラとマトムールを投入して攻撃を活性させ、アイクナーのクロスにラキッチが合わせるもノイアーのビッグセーブに阻まれる。さらにCKのセカンドボールを乾がハーフボレーで捉えたが、惜しくも外側のサイドネットに当たった。
2位のドルトムントと勝ち点差20を付け、6試合を残しての圧倒的な優勝となったが、過去2シーズン、ドルトムントにドイツ王者の座を奪われていた名門の意地と今季限りでクラブを勇退するハインケス監督の継続的な強化が結実した、リーグタイトルの奪還と言える。