鈴木監督が目指す「代表監督的」なチーム作り
また、鈴木監督は自らが代表監督として標榜するサッカーについて「個人でもグループでもチームでも仕掛けてボールを奪い、仕掛けて点をとる。つまり、クリエイティブでアグレッシブな攻撃サッカー」だと説明する。
「個人はもちろんだが、個人で打開できないならばグループで打開する。個人でボールを奪えないならグループで守って奪う。それが最終的にはチームとしてできるようになる。見ること、判断すること、物の見方、考え方を共有して、連続してサッカーができるようなチームにしたい。そういう厳しい中でサッカーをやっていかないと世界では勝てない」
その点、「まだまだ意識にバラつきがあるし、個々の意識が低いところがある」と率直に語る鈴木監督だが、U-20W杯出場のみならずはっきりと「五輪代表、日本代表になっていく選手」の育成について口にしていたのが印象的だった。
「彼らに言ったのは、U-20W杯に出るというのも大きな目的。でも、彼らが将来五輪代表、日本代表になっていくためにはこういう選手にならなきゃいけない、だからこういうサッカーをやらなければいけない、というものを今回のキャンプの中でどれだけ頭の中にインプットできるか」。
時間のなさも関係しているとはいえ、初回のキャンプから鈴木監督は30名のメンバーを固定し、戦術、コンセプトの浸透を図った。これまでのU-18日本代表は、ラージグループを作りキャンプを東日本と西日本で分けるなどして「できるだけ多くの選手を見よう」というチーム始動がスタンダードだった。
ただ、18歳ともなればすでに選手個人の才能や伸びしろというのはある程度見えているものであり、トレセン制度が整った日本において18歳でいきなり無名のタレントが発掘されることはまずない。だからこそ、私は鈴木監督の「代表監督的」チーム作りに賛同する。