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日本代表 12年前

【西部謙司が徹底分析】手痛い敗戦を喫したヨルダン戦。如実に現れた1対1の弱さ。

text by 編集部

日本代表がアウェイで勝てない要因

編集部 アウェイで勝てない要因はどこにあるのでしょうか?

西部 一つの要因として、間違いなくピッチコンディションはあると思います。香川はかなり影響を受けてますよ。香川はボールを保持しながら、相手の反応を見ながらプレーを選択する選手です。また、ペナルティエリア内でボールを受けて、細かいステップワークで相手をかわしていくタイプなので、下が悪いことでかなりやりづらかったとは思います。

編集部 ピッチコンディションが影響して、普段のプレーが出せなかったと。

西部 後半、もろにトラップミスをしたシーンがありましたけど、象徴的なシーンでした。遠藤もボールを捌くときに、一回ボールを踏んで動かないようにしてからボールを蹴っていました。それを見ても明らかで、下が凸凹していたので選手たちはそれぞれ対応に苦慮していたとは思います。クロスをミスキックするシーンもありましたし。特に前半はちょっとミスが目立ちましたね。仕方ないことですが、もう少し上手く対応していかなければならないと思います。

編集部 ピッチの状況は、見た目はそれほど悪いようには感じなかったのですが。

西部 逆に、全部が悪ければ選手たちも諦めてプレーすると思うんですよ。ただ、所々が悪い状況だったので、たまにイレギュラーするから余計にやりづらさはあったでしょうね。劣悪という表現は当たらないでしょう。前半はそれもあってあまりリスクを負わず、縦に早く攻めていこうという印象でしたが、徐々にコントロールできるようにはなりました。

 ただ本来であれば、もっとボールを保持して押し込みっぱなしにできるチームなんですが、そこに到らなかったのはピッチコンディションが大きく影響していると思います。ヨルダンのプレスが厳しかった訳でもないですし。日本の良さを出しやすい環境じゃなかったのは間違いないでしょう。そんな中でも丁寧にプレーしていたとは思いますが、やはり難しかったとは思います。

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