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日本代表 12年前

日本対ヨルダン。敗戦の要因と浮かび上がった課題【どこよりも早い日本代表採点】

text by 植田路生 photo by Kenzaburo Matsuoka

カナダ戦での課題を修正できず

 低調な内容と言っていい。アウェイ、劣悪なピッチ、主力の欠場など、不利な点はあったが、相手はヨルダン。ホームでは6-0で勝利した格下相手への敗戦は、まったく擁護すべき点がない。

 カナダ戦でも見られ、克服すべきだった3つの弱点はそのままこの試合でも出た。ヨルダンが最初から飛ばし、厳しいプレスをかけてくると得意のパスワークは影を潜めた。ボランチにパスを通しにくいならば、後ろで回してじっくりと機会を伺ってもよかったのだが、すぐ前線に長いボールを蹴り、淡白な攻撃になってしまった。

 そして、問題はセットプレーだ。守備面ではゴール前で簡単にフリーの選手をつくってしまっている。失点シーンだけではない。攻撃面でも日本のCKからまるで得点の匂いがしない。オーソドックスなボールが多く、これでは守る方も楽だ。試合の中でのバリエーションの少なさは改善しなければならない。

 それ以外にも多くの弱点が明らかになった試合だった。シュートの意識があまりに低く、相手に守りやすい状況をつくり出してしまっていた。また、相手のDFの枚数が十分にいるにもかかわらず、愚直に狭いエリアを崩そうとする場面も多い。技術があるのに決定機が多くないのは、攻撃が一本調子だったからだ。

 悪い時間帯が続いたときにチームを落ち着かせられないことも課題だ。焦って前掛かりになる気持ちはわかるが、90分を通したマネージメントがピッチ内外で足りない。本田圭佑の不在は、「トップ下」「キープ力」といったことよりも、そういった面が大きいのではないだろうか。

 W杯出場も決まらず、今後が心配になる試合だったのは確か。だが、ポジティブに考えれば、本番前に課題が明らかになり、強化ポイントがはっきりしたことだ。問題はそれが、あと1年と少しで修正できるかどうか。時間はあまりない。

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