2.ロングボールによる攻撃に上手く対処できない
日本がペースをつかむことができなかった要因の一つに、カナダのロングボールを跳ね返し切れず、セカンドボール(こぼれ球)を拾われてしまったことが挙げられる。単純なロングボールに関しては、長身CBの吉田麻也がいるので、それほど問題ではない。
カナダが厄介だったのは、ロングボールを蹴る前にパスをつないできたことだ。前からプレスをかけるとき、日本は1トップとトップ下がどちらかのサイドに追い込み、2列目のサイドハーフやボランチが連携して奪うという守り方をしている。
この際、DFラインも押し上げるのがセオリーなのだが、この試合ではカナダの3トップが高い位置をとっていたこともあって、DFラインとボランチの間の距離が広がってしまっていた。そのため、ロングボールを跳ね返したとしても、セカンドボールを拾われるという悪循環に陥ってしまっていた。
ザックジャパンは自分たちが主導権を握って戦うことをコンセプトにしているが、カナダ戦の前半のように自分たちのサッカーができないことはヨルダン戦でも想定される。前からのプレスがハマらなければ一旦ラインを下げて、相手に攻めさせるぐらいの割り切りも必要になるだろう。
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